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ひとつの終わり / 独り言

20年前の同じ月、初めてお稽古にいらしたSさん。
お仕事を定年退職されてから、体調が思わしくなく入退院を繰り返し、
現在は酸素ボンベが離せない状態で生活されています。
昨年、秋には疲労と風邪をこじらせお稽古も無理なまま年を越してしまいました。
亡くなられたお母様や叔母様は池坊をこよなく愛されていたこともあり、
そういったご縁で10歳以上も年下の私のところに通ってくださったのです。
安静を余儀なくされ、家に閉じこもりがちになることは、精神衛生上良くないと
お花を生け、お喋りに時間を費やす唯一の場所として我が家に通って下さいました。
お会いできなくなって約1年、以前より更に痩せてしまわれて・・・
それでも、自ら車を運転できることが何よりの救いです。
長いお休みを詫び、また、こうしてお休みを繰り返すことが私に迷惑をかけることになると~
長いお付き合いをこの度で締めるということになりました。
こうした自分の状態が残念で悔しいと、人一倍周囲に気を配ってこられた方なので、
その複雑な思いは如何程かと想像しても果てしありません。
趣味の世界であるうちのお稽古事は肉体、精神、経済の三拍子が揃わなければ、なかなか継続することができません。
いや、趣味だけではありませんね。
私も最近考えるところ多しの日々です。
「継続は力」と言いますし、その通りです。
適当、いい加減も多い私でもあるのですが、
忙しさも、健康面、家庭内の出来事もやり繰りして、出会えた「これが私の生きる道」は継続の賜物とも思っています。

「動けるうち、どんどん外へ出た方がいいですよ。」と言葉を残して去られたその方を見送りながら
最近、少々疲れがたまり始めている自分を振り返りました。
嬉し涙、悔し涙~いろんな涙を流し、それでも諦めず一歩、一歩の決して平たんではない道すがらを歩むことが生きるということなのでしょうか。

片付けなければならないものを横目で流しながら、物思いに耽る秋の夜です。

ひとつの終わり / 独り言_a0214206_00055152.jpg


by budoudana-de | 2014-10-16 00:09 | いけばな・アレンジメント

平凡な田舎暮らし。毎日の嬉し、楽し、気がかり、感じたことを綴ります。お花に触れていると幸せを感じます。


by 茜
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